個人間融資とは、知人や銀行や消費者金融などではない”全く見知らぬ個人同士”で、お金の貸し借りをする事です。
法外な金利や手数料を設定されている事が多く、犯罪の被害に遭うなどのトラブルがつきものです。
この記事では、個人間融資の実態について、詳しく紹介していきたいと思います。
Contents
なぜ個人間融資が行われているのか

借りる人の事情・心理
・脱サラや起業を志している人、投資で一儲けを夢見ている人
副業や投資で儲けて脱サラしたり、起業した”成功者”がTwitter、Facebook、インスタグラムなどのSNSで自らの成功体験をアピールし、ダイレクトメッセージ等で勧誘し、応じてきた人に対してノウハウを指南するというビジネスが流行しています。何十万円、何百万円という高額な指南料やセミナー代について一括で支払えない場合に、月賦でもOKという名目で融資元を紹介され、実は法外な手数料等が取られ、個人間融資が行われているケースがあるようです。
これからビジネス成功の秘訣を教えてくれる”先生”や”メンター”と呼ぶべき人が紹介してくれた融資元です。自分を騙そうとしているかもしれないと疑うのは難しいでしょう。
・学生
学生が利用してしまうケースがあるようです。
一昔前の消費者金融による取り立てなどの怖いイメージから、消費者金融に対する心理的抵抗が働き、個人間融資であれば気軽に利用できると勘違いしてしまいます。ご両親から消費者金融に対する怖いイメージを叩き込まれているケースもあるかもしれません。
あるいは「消費者金融などからお金を借りると家族にバレるのではないか」などと心配したり、「信用情報に”お金を借りた”という記録が残ると就職に不利なのでは」「個人間なら記録に残らないから大丈夫」などといった誤った想像や認識をしてしまうようです。
もしくは、そのように誰かから吹き込まれたのかもしれません。悪意のある誰かが無知と心理を巧みに突いている可能性はありますし、都合よく解釈する事で自ら陥っていたり、誤った知識を友人間に広めている可能性はあります。
・年齢や立場・経歴
消費者金融等のローン商品の申込み条件には、年齢制限や年収の提示があります。
心の病などで長期間働く事ができていなかった人、まだ働き始めたばかりの人、専業主婦をしていたが離婚してしまい収入のない人、年齢制限に達しない人なども融資元を探すことが難しくなります。
・ブラックリスト
ローンの返済を何度も滞納したり、10年以内に債務整理をした事がある場合、金融機関が共有している「信用情報」にその記録が残っている為、銀行や消費者金融でお金を借りる事が難しくなります。いわゆる「ブラックリスト」という状態です。
それでもどうしてもお金に困り、融資元を探していくと、最終的に個人間融資にたどり着きます。
・お金を貸してくれる知人がいない
お金の貸し借りは友情を壊すと言われる事があります。家族、親戚、友人、知人など、頼れる宛がいなくなってしまった場合に、個人間融資であれば「他人」に頼れる事を知り、利用してしまうケースがあるようです。
・自信家、楽天家
「自分は悪質な業者を見分けるコツを心得ているから大丈夫」「融資元を信用できると判断できるまで慎重に進めるようにするから大丈夫」という根拠のない自信を持っています。
過去に1度以上、個人間融資を利用しており、偶然トラブルに巻き込まれていないと、メンタルブロックが外れて”気軽に”利用するようになってしまいます。「普通よりちょっと高い金利を払えばよいだけ」などと甘く見ている訳です。
また、すぐにお金を準備しなければならないような、心理的に切羽詰まっている時ほど、自分に都合よく解釈して安全な相手だと自分に言い聞かせてしまうものです。
・面倒くさがり
「書類を準備する必要がない」「面倒な手続きや審査が不要」「手軽に借りる事ができる」
ちょっとした面倒事を省略したいが為に、個人間融資を利用します。借りる事でより大きな面倒事を背負い込んでいる事に気が付かないのです。
個人間融資はどのように行われているか

集客方法は主に、人伝て、掲示板、SNSです。
人伝て
友人間、知人間で人づてに紹介されます。SNSなどで知り合ったビジネス指南の先生などから紹介されるケースもあるようです。詳しくは、上記「借りる人の事情・心理」をご参照ください。
掲示板
5ch(旧2ch)などではなく、「レンタルキャッシュ」「ハートステーション」など個人間融資専門に運営されている掲示板があります。
掲示板の利用方法には、主に2つのパターンがあります。
※注意:これから個人間融資掲示板の利用方法の記載がありますが、個人間融資を訴求する意図はありません。あくまでどのような仕組みで行われているか実態を紹介する為のものです。本記事は記事タイトルにあるとおり、個人間融資の危険性をお伝えするものであり、本サイトでは一切、個人間融資の利用はおすすめしておりません。
パターン1,借りたい側が掲示板に書き込み、貸したい側がメールを送る
まず、以下のテンプレートに従い、掲示板に書き込みます。
・名前(本名ではない) ・住所(都道府県までが多い) ・メールアドレス ・職業 ・勤続年数 ・年収もしくは月収 ・借りたい金額 ・借りる目的・用途(生活費、借金の返済など) |
書き込みを見た貸したい側から、メールが送られてきます。
複数の相手と交渉していき、条件のよいところや信用できそうな相手を選びます。
お互いが合意し、交渉成立したら、取引が開始されます。
2,貸したい側が掲示板に書き込み、借りたい側がメールを送る
掲示板に以下のような書き込みがされます。
・名前(本名ではない) ・住所(都道府県までが多い) ・メールアドレス ・融資可能な上限額(総額など) ・融資方法(振込、手渡しなど) ・貸付対象(自己破産した人への可否など) ・その他条件(直近の給与明細の画像送付、手数料など) |
※稀に”有名な貸主”がいるようです。長い間個人間融資での取引実績があり、掲示板などにも評判が載っていたりします。しかし、どれだけ多くの信用できそうな評判を読んだとしても、信用してしまうのは避けるべきでしょう。
複数の書き込みの中から、融資元を選んでメールを送ります。
メールのやりとりで交渉していきます。
お互いが合意し、交渉成立したら取引が始まります。
※掲示板で知り合った取引相手とトラブルになっても、掲示板の運営は一切介入しません。
自力でトラブルを解決する必要があります。
SNS
主にTwitterアカウントなどで個人間融資を呼びかけています。
ダイレクトメッセージを送る事で交渉開始となるかのような様相を呈していますが、筆者が捨て垢で実際に接触を試みたところ、他のSNSに登録するよう誘導されました。そちらのSNSで交渉しましょうという事のようですが、これはおそらくSNSへ登録させる事そのものが目的なのでしょう。
また、メールアドレスを収集し、メールアドレスをリスト化して売る目的のアカウントもいるかもしれません。
中には本当に融資目的のアカウントもいるかもしれませんが、ほとんどが詐欺目的、もしくはヤミ金の類だと疑ってかかった方がよいでしょう。
個人間融資のメリット・デメリット

メリット
個人間融資にメリットはありません。ミナミの帝王などのような漫画の世界では、闇金からお金を借りる事で危機を脱し、成功への道が開けるようなストーリーが展開されていたりしますが、現実でそのような事は起こりえません。
デメリット
法外な金利・相場
「個人間融資」という言葉のイメージから、個人同士の約束なので法律の適用外という勘違いを生みがちです。ですが、個人間融資であっても消費者金融から借りる時と同様に利息制限法が適用されます。
参考:利息制限法
貸付金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
また、稀に相手の無知につけ込んでビジネスに適用される「出資法」を持ち出して「上限109.5%」などとおっしゃる人もいるようですが、個人間融資に出資法は適用されません。
手数料
金利の他に手数料がかかる場合があります。
手数料に関しては法律上の制限がありませんので、貸す側の言い値を支払う事になります。
ここで一つ豆知識として持っておきたいのは「消費者金融の場合は、貸金業法で手数料を利息に含める」と決まっているという事です。
「利息の他に手数料がかかっている」という時点で、すでに法外な支払いが発生しているという事を知っておきましょう。
約束外でお金を取られる可能性
年会費や月会費、「〇〇を条件に返済を待ってあげる」などの名目で別途費用を取られるケースがあるようです。
個人情報を悪用・転売される可能性
名前、住所、メールアドレス、職場、年収など、個人情報を悪用・転売される被害があります。
騙される可能性
詐欺に合う可能性があります。手数料先払いなどの名目で先に振込だけさせておいて、融資しないまま音信不通となるケースがあります。
性犯罪に巻き込まれる可能性
・手渡しでお金を借りる際、手続きを行うためと偽り密室に連れて行かれ、そこで性的な関係を求められた
・レイプされた
・貸主がストーカー化した
など
また、自分は男性だから大丈夫、などとは思わないほうがよいでしょう。
債務整理の手続き中や、債務整理を行った後も、督促が止まらない可能性
借金の返済がどうしてもできなくなり、自己破産や民事再生などの「債務整理」を行う場合ですが、貸金業者であれば、弁護士が介入した後は、直接本人と連絡を取ることを法律上禁止されています。
しかし、個人の債権者に対しては法律上禁止されておりませんので、債務整理後も督促が止まらない可能性があります。
それでもお金に困っている場合の対処方法

後払いのプリペイドカードを使ってみる
プリペイドカードは通常、先払いで金額をチャージしておくものですが、後払いのプリペイドカードというものも存在します。「バンドルカード」というスマホアプリなのですが、Visaプリペイドとして使う事ができ、3千円~2万5千円までの範囲で後払いの契約でチャージする事が可能です。
少額ではありますが、カードローンやクレジットカードと異なり審査がありませんので、一時的な資金繰りとして活用できます。
↓バンドルカードの詳細はこちら
まだ審査を試していない消費者金融はないか確認
業者それぞれで審査基準は異なっており、一社で通過しなくても、他社であれば通過する可能性はあります。
まだ審査申込を試していない業者があれば、試してみる事をおすすめします。
※ただし、一度に複数の業者に申し込みをすると全てに落ちてしまう可能性があります。審査申し込みをした時点で「申込みをした」という内容が信用情報に残るからです。申し込みをするなら、一社ずつ結果を待ちましょう。
おすすめ記事↓
※下の表は右にスクロール可能です
金利 | 限度額 | 特記事項 | 詳細ページ | ||
---|---|---|---|---|---|
アコム | (実質年率) 年3.0%~年18.0% | 1万円~800万円 | 無利息サービス 最大30日間 | 詳細情報はこちら | |
アイフル | (実質年率) 年3.0%~年18.0% | 800万円以内 | 無利息サービス 最大30日間 | 詳細情報はこちら | |
![]() | SMBC モビット | (実質年率) 年3.0%~年18.0% | 1万円~800万円 | クレカ+Tカード 機能付き選択可 | 詳細情報はこちら |
プロミス | (実質年率) 年4.5%~年17.8% | 1万円~500万円 | 無利息サービス 最大30日間 | 詳細情報はこちら | |
レイクALSA | (実質年率) 年4.5%~年18.0% | 1万円~500万円 | Webで申込むと60日間特典あり。 180日間特典あり。 | 詳細情報はこちら | |
ベルーナ ノーティス | (実質年率) 年4.5%~年18.0% | 1万円~300万円 | 無利息サービス 最大14日間 | 詳細情報はこちら | |
セントラル | (実質年率) 年4.8%~年18.0% | 1万円~300万円 | 無利息サービス 最大30日間 | 詳細情報はこちら | |
![]() | キャッシングの フタバ | (実質年率) 14.959%~17.950% | 10万円~50万円 | 無利息サービス 最大30日間 | 詳細情報はこちら |
自分の信用情報を確認してみる
信用情報の保存期間は10年です。
過去に債務整理等を行っていても、10年経過すればその履歴が消えます。
債務整理した事が随分以前である場合は、いつ頃その情報が消えるのか把握しておけば、有利に審査を受ける事ができます。
例えば、審査に落ちた理由が「たった一ヶ月申し込みが早かった」という可能性も十分考えられるからです。
あまり知られていませんが、信用情報は確認する事ができます。
下記の機関がそれぞれ情報を持っており、連携して情報を共有しています。
普段、消費者金融や銀行などは下記の機関から情報を取得し、審査に利用していますので、それと同じ情報を確認する事ができます。
持っている情報 | 機関 | 手数料 |
消費者金融の履歴 | 日本情報信用期間 (JICC) |
1,000円 |
信販 クレジットカード 携帯電話の支払い |
株式会社シー・アイ・シー (CIC) |
1,000円 |
銀行 日本学生支援機構 (奨学金) |
全国銀行個人信用情報センター | 1,000円 |
確認したい場合、それぞれ上記の機関に開示請求できます。
郵送であれば1週間~10日前後で届きます。
窓口で直接開示請求し、発行してもらえる場合もあります。
債務整理
どうしても借金の返済が難しい場合、弁護士や司法書士に依頼し、債務整理を行うという選択肢もあります。
債務整理は、別件で債務整理していなければ個人間融資で負った借金に対しても行うことができる可能性があります。まずは専門家に相談してみることが賢明です。
・借金を減額し、元本だけを分割で返済する任意整理
・全財産を没収されるが、代わりに借金もすべて免除してもらう自己破産
信用情報に記録される為、今後10年間の借金等はできなくなりますが、借金苦から開放されるというメリットがあります。また、過払い金請求を行えば、払いすぎてしまった利息分を請求し、取り戻せる可能性があります。
↓債務整理については、こちらに詳しくご紹介しています。
↓おすすめの債務整理無料診断サイト
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個人間融資で被害にあってしまったら・・・

すでに被害にあってしまった場合、被害の規模にもよりますが、しかるべきところへ相談しましょう。
借金に関する法的な相談事に関しては日常的に縁のあるものではない為「どこに相談すればよいかわからない」という場合もあるでしょう。そういった場合は、まずは国によって設立された「法テラス」で相談可能な機関の紹介を受けましょう。紹介は無料で受ける事ができます。
詐欺被害や性的な被害にあわれてしまった場合などは、まずは最寄りの警察へ相談しましょう。
まとめ

個人間融資は、様々な事情があって、やむにやまれず利用を検討されている方がほとんどだと思います。
藁をもつかむ思いでいる事は重々承知のうえで、それでもあえて「個人間融資は危険」であり、「利用は絶対にしない方がよい」と断言させてください。
「個人間融資」の掲示板で知り合った取引先が「個人」である保証はどこにもありません。
ヤミ金業者や、反社会的勢力ではない保証はどこにもないのです。
「個人間融資で、安全で信用できる融資元の見分け方」
↑
そんなものはありません。個人間融資を訴求する記事やブログを鵜呑みにするのはやめましょう。
「以前一度利用した事があるから大丈夫」
↑
こういった気持ちでいる方が、最も危険です。今すぐに考えを改めましょう。
個人間融資の利用は絶対にやめましょう。
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